礼儀知らずのマスコミとブラジルの鶏肉生産からみえる日本

ミートホープ社コロッケや偽比内鶏は正しい  

 ワシは今、怒っている。この間某テレビ局(民放)を名乗る男からメールがきて、年始番組用にアマゾンの鶏肉生産の状況を教えろ、というから一応調べてから「マナウス近郷で生産される卵は日産230万個。そのうち日系人が生産する卵は180万個。ブロイラーを生産する養鶏場は2カ所。ブラジル人の経営」とおしえたが、本人の思惑と違った答えだったとみえて、それっきりたった一行のお礼のメールすらこない。情報はタダでてめえの為に他人様が時間を使って奉仕して当然だ、とおもっておるのだな。この話をその局の先輩でいまはエラクなっておるのにメールしたら「育てた自分たちの世代の責任でまことにお恥ずかしい」というておった。なに、やつだってアマゾンに来たときは十分恥ずかしい若造だったわね。 ただ海外にいるトシよりとしては情けないのう。日本のワカモノ、ではなく、ワカモノを育てるオジサン連中がだ。(あ、そのバカカモノ君の名前を告げ口するようなことはわしは決してしないから安心しなさい。爺になると若い人には寛容にもなるのだ)

  ま、せっかく調べたからわがサイトの読者にブラジルの鶏と卵の話を知らせておこう。

 まず、ブラジルは世界第二位のトウモロコシ生産国であるが、貿易統計を見るといっさいトウモロコシの輸出を行っていない。あまつさえ、時折、輸入さえしているのが現状である。

 その理由は生産するトウモロコシを使ってブロイラー、豚肉、鴨肉などを生産し食肉として輸出しているのである。数年前の鳥インフルエンザ騒ぎのとき、多くのバイヤーが急遽日本からブラジルにやって来たが、既存のルートに押さえられ誰も商談にならなかった。

 日本のソバ好き中年は、近年、冬にエラクやすいカモセイロなどが目立つようになったのに気が付いているかな。ホンモノのカモ蒸籠となればまあ1000円を超えるのが、数年前からなんと立ち食いソバヤにもあるようになっただろう。あれはほとんどがブラジル製の鴨肉である。元の鴨の卵はフランスから空輸されてくるのだ。このシステムを考えたのはカシコイ日本人だった。

 ブラジル国内の生産現場においては、鶏卵の8割、ブロイラーの4割は日系人が生産しているから頭が回る。そしてブラジルのブロイラーの主要なマーケットは実は日本ではなく、豚を食わないアラブ諸国である。その理由はイスラムの宗教儀式に乗っ取って処理されているからである。視野も世界的なのだよ。

 人口180万の大都市 マナウスにはサンパウロ方面から毎日30トンの冷凍コンテナー車30台、つまり日に900トンのブロイラーが搬入されており、このエネルギーによってオートバイやテレビが生産されている。つまり工業都市であって、農業はそれを支えてなおたりないか、高級品に特化している。 日本のコンビニ弁当のおかずに売るどころではないのだ。

 ついでに云っておくと日本のファミレスの鶏肉も8割がブラジル製。 日本国内のブロイラーも業務用には、時折、ブラジル語、英語、日本語、アラビア語等数カ国の言語でパックが表示されているものある。一般 用にはブラジル製とわかると売れないので弁当屋やファミレス従業員ぐらいしかしらんだろうなあ。 

 北海道のミートホープ社の偽装でも判るように食肉というのは業者間取引では値段が優先して内容は問われていない。というか買い手側(キミが買っているスーパーのことだ)に品質のチェック能力がないのが実情である。そしてブラジル製ブロイラーは日本国内の中級ブロイラーより品質ははるかに良いことはあまり知られていない。

 数年前これを国産鶏肉として売られた事件が九州であった。たしかに表示違反だが、質は国産よりよかったのでよく売れたのである。(どうでもいいけどKフライ*チ*ンだけは喰わない方が良い。ありゃ東南アジア製の食用粘土のごときものだ。コロモにゼニ出してくうとるに等しい。アメリカングローバリズムの味、が好きなら止めないが)

  鶏卵は冷蔵庫に入れなくても通常暑いアマゾンでも2週間持つ。日本の冬では20日間OK。何故ならタマゴはたった一つの鳥の生殖細胞でなかはむろん無菌状態だしね。だからサンパウロで鶏卵がだぶついたとき、陸路アマゾンまで安い値段で入ってくる。が5日位 かかるので10日も持たないので賢い小売商はリスクが高いので扱わない。鶏卵は鮮度が勝負なので消費地の近郷で作ることが望ましいのだ。

 ちなみに東京の鶏卵は茨城、千葉産が圧倒的に多くあとは群馬、埼玉 産である。日本は国が狭くトラック輸送網が発達しているので大手スーパーでは関西方面 の鶏卵も東京に入って来ているが、通常距離が伸びると輸送コストが高く付く。

  鶏肉を作るには1キロの鶏肉に2キロのトウモロコシが必要。トウモロコシを運ぶよりコストの高い冷凍コンテナーを使っても倍はかからないのでアマゾンの場合、結局ブロイラーを運んだ方がコストが安いのである。さからさっき言ったようにマナウス産の鶏肉は一般 向けではなく高級な生の鶏肉として出荷される。

 ついでにいうと1970年頃は鶏なら3キロ、豚肉はトウモロコシ7キロ、牛肉は10キロもかかっていたのがそれぞれ5キロ、7キロに減った。これを食肉業界は「進歩」というが、味とは比例しない。舌に自信がないヤツほど「進歩」にだまされやすい。

 東京の場合アメリカ産のトウモロコシの大半が鹿島港に陸揚げされるため鶏卵もブロイラーも、茨城、千葉が地の利で有利なのだ。 1970年までは1羽のブロイラーを作るのに100日要した。現在の大半のブロイラーは49日で作られる。だからかってはあたりまえだったのをわざわざ「百日鶏」などとさも上等の鶏のようなブランドが作られるご時世。昔ならフツーの食材がどんどん不味くなってるからグルメブームだのブランドがもてはやされる。秋田比内地鶏の偽物がでるのもふしぎではない。

 ただ、偽比内鶏というが、薫製にして食うなら日本で「廃鶏」とよんでる肉の硬い鶏のほうが旨いのはなーんもフシギでないんだがね。偽だから悪いのなんのと悪口書いてるマスコミ記者達は食ってみていうとるのかね?わしらは現場と証拠がなきゃ、なんもいえん、というのが常識だがいまの日本のマスコミ諸子はどうなんだろう、と時々疑問におもう。

 ミートホープのコロッケだって旨いから全国で飛ぶように売れた。なに、牧畜の民の南米では内蔵だろうが血だろうがまるごと動物をみなくうのだ。赤みの筋肉(きんにく)部分しか食わない、という日本人の肉食習慣のほうが世界から見ればアホなのだ。

 ミートホープのコロッケは味に関してはあの人相の悪い社長は実は肉の食いかたではただしいことをしたのではないか、とわしゃおもとる。たとえ動機がゼニもうけのため、手段がウソであってもね(それこそ資本主義の原点じゃろが)。

 偽比内鶏の薫製とやらも多分、ホンモノの若鶏の薫製より旨かったとおもうぜ。必ずしも若もんがトシよりよりウマい、とはかぎらんのである。あの作った連中を「欲張り社長がウソついたから悪い悪い」と鬼のクビとったかのようにマスコミは騒ぐが、実は彼らが提起した、より本質的な「結局やすくて旨いから売れたのではないか」という大問題を見逃している。これぞ赤身の正肉しか食わない潔癖で嫉妬深い日本人の意識に迎合するものじゃあないかね。

  さて、味のことは、まあ、好みだからそれでもええとしてもだ、それよりだなあ、マスコミは書かないが、コンピュター制御と抗生物質とビタミン剤と女性ホルモンによって。少子化は女性ホルモン剤を使った肉類(牛、豚、ブロイラー等)の多食の影響も否定出来ないぜ。特に男が中性化するのはあきらかなんだが、キミの周りにそんなやつはおらんか?かれらこそグローバル巨大食肉産業のいいカモなのである。

              ではまた。

            07/11/8    マナウスにて ハシモト

 

 

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