Amazon辛口相談こーなー


わしは忙しい男だがAmazonに関しての相談を受け付ける...こともある。ただ真剣なものにかぎる。弟子が答えることもある。そのほうが親切であるかもしれん。

 あたかも答えるのが義務だとおもっとるような礼儀しらずの質問には一切答えない。残念ながら最近そんなのが多いのだ。テレビなんかで育ったから情報は与えられるのが当然、とおもっておるのではないかな。情報はただなんかではない。一歩間違えば、命にかかわるような「情報」は、誰かがそのしぬような思いをして得たモノだ、という想像力ぐらいはもってほしい。そのうえで、どうしても必要なら質問をよこしなさい。


1.アマゾンの採集記などを読み,場所によってはうっかり入ると吹き矢が飛んで
くることもあるというような記述がありましたので,これは,いつものように,
勝手にレンタカーを走らせて適当に林の中に入るわけにはゆかないらしい,とす
れば,英語,できれば日本語の分かる運転手やガイドの人の手助けを頼まなくて
はいかないか,と思うのですが,マナウスには,旅行ガイドの人がけっこういる
ようで,信頼できる人を紹介していただけたら,というのが第一の希望です。

2.今回は,半分下見ということで,初日からすぐに山に入る,というよりも,次
回以降につながる情報収集も目的です。たとえば,南米は治安が悪く,うっかり
行くと生きて帰って来れないのでは,というように思い,あいつが生きて帰って
きたら次は一緒に連れてってもらおうというような考えの仲間が多く,今回はメ
ンバーが私以外一人しか集まりませんでした。治安の問題など,実際はどの程度
なのか,出発前に頭に入れておいた方がよい注意など,ありましたら御教示願え
たらと思います。

3.マナウスに着きましたら,ぜひお目にかかりいろいろご教示願えたら,と思い
ますが,よろしいでしょうか。

4.こちらではろくな地図が手に入らないこと,採集が可能な地域,不可能な地域
などあれば,あらかじめ知っておきたい,などいろいろありますが,それらは現
地でお目にかかれたら御教示願えれば,と思います。今回は,虫の方では,まず
はモルフォが飛んでいる所を実際に見て,ビデオで飛んでいる画像をおさめて,
若干数でもネットインできれば,という程度が第一目標です。
 お言葉に甘え,いろいろ書き連ねて申し訳ありません。それでは,お気をつけ
ていっていらっしゃいませ。

Nakajima Joji, gonkuma@ka2.so-net.ne.jp

Nakajima Joji, gonkuma@ka2.so-net.ne.jpくんへのお答へ】

うーん、採集目的の旅か。昔の自分もそうだったから、これはお答えすることにした。

まず、Amazonに限らず、ブラジルは昔と違って原則として熱帯雨林の蝶類、いや、生物は採集禁止である。捕れるのは写真だけ。昔の先人の時代とは大違いなことを承知しておいてほしい。熱帯雨林でない南の方の一部私有地に限ってはこの限りでないが、「ほぼ禁止」とおもって間違いない。

 この間、某有名大企業の蝶ぐるい社長が案内を頼んできたが、この旨をしっかりおことわりしてから案内した。わしの博物館の展示用でも結構面倒な手続きと許可が必要なほどだ。また、外国人には、鳥類や動物の展示に許可が、たとえ、博物館の実績のある私でもおりない。それぐらい厳しい。

 甘く見て、そっと持ち出すときにつかまったらえらいことである。マナウス空港には日本の空港にある検査機以上に感度が良く、金属のみならず水分まで感知する検査機が常設されている。

 あんなに広いのに理不尽な、というなかれ。これまで、許可してきた外国の研究者が自分らの論文や商売にばかりつかって、ブラジルの為にはなにもしなかったし、学者も論文をエイゴで発表しておしまい、ということで、ブラジルは怒っておるのだよ。当然、これを破るような「ガイド」などおらぬ 。資格がなくなって失業してしまうからね。

 それにガイドは観光が中心。一日数十ドルかかる。それも中級クラスでも結構お粗末な英語だから、キミがスペイン語かポルトゲスのカタコト程度は必要だ。日本人で生物関係の取材チームの案内ができる、なんてのはわしと、もうひとりしかいない。が、どっちも数千ドルでもなかなか、ウンとはいわん(^o^)。それにこういうことは、自分の力だけでやったほうが楽しいよ。

 たとえば、有名なイグアスもアルゼンチン側は採集できるが、ブラジル側はダメ。だから、どうしても、というなら「それなりのロケーション」を選ばないといかん。

 治安は悪い、といえば悪いが、はて、ニューヨークとか東京はどうなのかな?すくなくともある程度の言葉ができて、用心深いならば、それほど過剰な危険はない。半魚人が吹き矢でいきなり襲ってきたりはしない。といっても、昔、わしもブラジルではないが南米に来たとたんに採集道具を全部盗まれたことがある。中には青酸カリが1キロもはいっていたから、盗んだやつはなめて死んだとおもうがね。

 気の毒だが、最近の日本人は、カネモチとみられているので、正直いってむかしより安全とはいえない。ただ、最近の若いのはVISAのゴールドカードなんかもって旅行しよるから、あれは襲われてもわしは同情しない。まあ、しっかりした案内人をつけてカネをケチらないことだろう。早稲田の探検部部員殺人事件や、この間のテレビクルーの舟の沈没、死亡事故などこのあたりに問題があった、と思っている。いずれにせよ、サンパウロの売春婦のエイズの方がアマゾンの自然よりは旅行者には危険だ。

 
 地図は確かにこれまでは難物だったが、ようやく軍政が解かれて良いモノが入手できるようになった。これはわしの博物館でも3500円ぐらいで販売している。ただし一般の本屋ではおいてないようだ。これは要望が多いようなら東京事務所を通じて頒布も考えている。ブラジルに、カネを送ってもらっても、まず途中で消えちまうから郵送はおすすめできないのだ。現在、カード決済システムを考えているが、15%だか、17%だかカード会社が儲ける仕組みで、そのうえ、消費税が17%かかるので、二の足を踏んでいる。


 モルフォ蝶のビデオ、が狙いなら、あれは結構ありふれた蝶なので、気軽にきてもビデオの腕前さえよければいくらでもチャンスはある。ただし、暑いからといって一年中いるわけじゃあない。発生時期さえ間違えなければ、という条件がつく。半ば下見というのんきな姿勢でいいとおもう。いまは航空運賃がやすくなったので、何度でもこれるのだし。当博物館にこられて、きみがわしと話があうような人物なら貴重な話とホラをお聞かせいたす。ただし、わしは忙しいので突然来られても困る。通 常、博物館にはいないことが多いので、前もって予約されたい。


というわけで、採集目的なら、南米の他の地域も考えに入れてみた方がいいかもしれない。

なお、南米専門のツニブラ旅行社には蝶に詳しい人がいるからきいてみるとよいかもしれぬ。八重洲ブックセンターの裏の方だったな。ご健闘を祈る。


     1998/11/13  橋本捷治