なぜわしの塔計画がすぐれているか
タワーこそは男子のシンボルじゃぞ...ヘンないみでないぞ
これが、すでにアマゾンに何本か建っている生物研究タワーである。
わしは一番乗りしたかったのだが、カネがなくて、わずかなカネをつくるのに4年もかかってしまったが、アメリカ、イギリス、ドイツ、そして日本などはみな政府の予算やカネモチの寄付で一本1億円もしそうなのがどんどん建ってしまった。わしはくやしい。くやしいが、しかし、そのうち妙なことに気が付いた。ちっともガクジュツ論文がでてきやしないのだ。そんなはずはない。アマゾンの地上数十メートルなんて誰も研究しようが無くていた分野だ。成果がないはずがないじゃないか。
で、しげしげとみてみた。
すると、早い話が、安全快適に上れて研究機材もどっさり持ち込みたいから、上の図のようなタワーをたてよるのだな。
これに対してわしのタワーをみてほしい。
さよう。大きなチガイは、彼らの豪華タワーは、周りの樹木を切ってしまうのだ。
わしのはそうではない。いや、彼らがアホだ、ということでもないのだが、つまりあまりりっぱなもんをたててしまうから、どうしてもそうならざるをえないのだよ。観察対象との間に距離ができる。そんなものは今のハイテク機材でどうにでもなる、というのが彼らの考え方だ。たしかに今のビデオカメラとかはすごいからね。
しかし、わしが思うに、問題は、「樹木を切ってしまうことによって観察対象の自然そのものが変わってしまう」ということにある。アマゾン中にない、ヘンなものが建っているところでわざわざ生物が危険をおかして普段どうり生活する、と考えるほうがおかしいじゃないか。
だから、わしは、日本の優れた技術を使った、専有面積のきわめて小さい無線のアンテナを利用してタワーをたてようとおもっとる。それがわしタワーの図である。
この程度のことは誰でも考えつきそうなモンダ、って?そのとおり。そのとおりなんだが、実はわしのこのようなタワーには重大な問題がある。下の図をみられよ。

さよう。アマゾンでは年に2,3度だけだが、強い風が吹く。いい加減な計算だと50メートル以上にもなる。すると、高さ40メートル、つまりビルの12階ぐらいもある巨木がゆさゆさとゆれて塔にぶつかるのだ。むろん、鉄の塔だってへたするとぐにゃりとまがってしまう。ちょっとまがるといろんなものが狂うから使いものにならなくなる。

また、たとえ木がぶつからなくても、強風が吹くと、高さ40メートルの先端部分は半径6メートルもゆれる。こんなにゆれたら、人間などひとたまりもなくふりおとされてしまうだろう。安全ベルトなんかつけてても無駄じゃ。誰も助けに来ないからちゅうづりになって、そばの木に振り子のように叩きつけられるのが落ちじゃわい。
また、無線のタワーでは細すぎて、どうやって先端に登るか、という問題もあるだろ。
40メートルなんて、無風状態でも大揺れみたいなもんで、ロッククライマーでもないと並の人間にはのぼれたものではないのだよ。
これをどうクリアするか、が問題として残っておるのだ。が、まあ、わしはだてにガキのころから生物に生きてきて、受験勉強なんどしたことがないオトコだから、このていどの苦境なんぞ屁でもない。成算はある。
あまりホラばかりふいているから、最近ではみながわしをほら吹きだとおもいはじめておるのでいまはこれ以上いわぬ。
うむ、言わぬといいながらついいうてしもた。うれしいとつい、自慢したがるのがわしのわるいクセじゃ。
まあ、だまってみとれ。年内に一本、来年はもう一本、たててみせる。
これぞ、オトコが立つ、かどうかの見本みたいなもんじゃ。わしは爺であるが、まだりっぱに立つのだ。わはははは。ではさらばじゃ。諸君。また会おう。
つぎは10月頃あそびにきなさい。
98/ 5/31 橋本 捷治
タワーのカタログを検討する 98/6/1
じまんついでに、もうひとつ自慢しておこうかの。もし、あんたのまわりで癌でしにそうな人がいたら此処をクリックしてみんしゃい。