【軍曹の日本語

 

1月12日 曜日 天気 { } 

 

今日からとってる授業を受けに新宿へ。ベテランの女軍曹、とひそかによんでいるかるちゃーのS女史の講義はちょー実践的でオモシロイのだ。あたしが受けた授業で唯一、「c」だったんだけどね。その明快な切り口は講座ちうよりは、高座にちかい名調子でかつ生徒を選手としてどんどん練習させていく。ドイツ系のサッカー監督みたいに、具体的でわかりやすい教え方なのだ。

 「りんごは 寒い地方で作られる。青森県と長野県が、その産地として特に有名である」

 という教科書の文章をどう使うか。

 これまで私の知っている ワザ は、立て続けに生徒に質問する、という基本ワザだけ。これは生徒が理解しているかどうか、をチェックして、どのていどにほんごのキャッチボールが出来るかをみるのにはとても都合がよい。

 

 それだと、この文章はなんの難しさもないから、生徒はみな答えることができる。

 女軍曹は

 「そうではない、この教科書は、リンゴのことなんかどうでもいいんです」というのだ。

  目的は文章を理解するための教科書ではなく、この表現をつかいこなせるようになることだ、と。

 すなわち

  ____は ____。 

  ____が 特に______です。

 を使いこなすこと、なんだそうだ。うーん、なるほど。でもどうしたらいいのかな。

 まず、生徒にあわせて、教師が2つぐらい例をあげる。

   ーーーは 

  のところに、名詞をいれてみる。 

  バナナ ならどうか? とか、 車、ならどうか、とかやってみる。

  生徒がディズニーランド、などといえばしめたものだ。

 ディズニーランドは 世界中にある。

 香港のが、特にゆうめいです。

 浦安のが、特に有名です。

 なーんて、やればこの文型を一番つかう、親しみのもてる表現で生徒のみに着く、というものだ。

 あるいは、述語の部分を、「いろいろある」にしてみて`主語のところを生徒にいわせる。

 生徒の興味にしたがって、「エステ」「デパート」「遊園地」「会社」などがでてくる。

 その述語も生徒にいわせる。

 そのけっか、

  ゆうえんちは いろいろある。 東京ディズニーランドが 特に 有名です。

  車は いろいろある。トヨタが特に有名です。

  大學は いろいろある。 トーダイが特に有名です。

 などということができれば、すなわちこの授業の目的を達したことになる、というのだ。

 

 

 

 【〜として】 ならどうするか。

  〜として 〜です。

  この場合、言葉の意味としては「いろいろな側面があるなかで、もっとも目立つのは」、という使い方だが、それをこの段階では理屈でいわない。

教師; 明治は______としてゆうめいです。

     お菓子のメーカー

     牛乳のメーカー

     アイスクリームのメーカー

 でも、一番は、お菓子。

 明治は お菓子のメーカーとして有名です。

 

 教師;「パナソニックしっていますか?」  生徒;「しっています」

 教師;「何をつくっていますか?」   生徒;「テレビ」 

 教師;「はい、テレビのメーカーですね。ほかには?」         生徒;「パソコン」  

 教師;「ほかには?」         生徒;「ラジオ」

 ここで、〜として のところに、テレビ、パソコン、ラジオとかかいておいて、

 一番有名なのは? テレビ? 

  では、

   パナソニックは テレビのメーカーとして 有名です。  

 

  シュワルツュツネッガー  

               ハリウッド映画の俳優

               カリフォルニア州知事

               ボディビルのチャンピオン

    一番ゆうめいなのは 

   シュワルツネッガーは カリフォルニア州知事 として 有名です。

   「特に」をつけて、とか 写真をつかって、「この写真のシュワルツネッガー」とか段々のばしていってもいい。

  このとき、生徒がどんな職業や年齢か、によって例文を調整できるといい。

 こども、学生、会社員、主婦・・・

 そして、

          ゲーム、秋葉原、ソニー、日本料理・・・などと換えていく

 なーんて、ことができればいいのだが、けっこう難しいから、事前にしっかり良い文例を考えて教案にかいておかねばならない。

 

 ★ ___ために ________だり ________たり  する・しています。

   やせる    ジョギングしたり   ウォーキングし

   おかねもうけの アルバイト     宝くじかったり  しています

   日本語が上手になる    テレビをみたり、ラジオをきいたり しています。

 などと生徒ができるように誘導する技術が、授業の技術だ。そして、あるていど再現できたら

  そのと中でもいいから、

  やせるために ジョギングして、ウォーキングして、ダイエットして・・・・

  ____て、____て、________て、

 と黒板に書いて、  たり、たり、たり、 ています。の形と比較しておしえておく、とか。

 

 【〜には____がある。___もあるし、_____もある】

 りんごには いろいろな種類がある。 形のおおきいのもあるし、ちいさいのもある。

 この教科書の一行を、つかって

  例文   まず、さいしょの ___がある。 を いろいろな種類がある、をそのままつかってみよう。

  くるまには いろいろな種類がある。トラックもあれば バスもある。

  スポーツにはいろいろなしゅるいがあある。サッカーもあれば野球もある。

 などから、

  この教室にはいろいろの国のひとがいる。中国人もいればアメリカ人もいる。

 ×、おっとここで失敗。よーくよむと、原文は 

 形のおおきいのもあるし、ちいさいのもある。

  「あれば、とはいってない」という指摘。うーっ、ついネイティブはやちゃうのよね。

 

 

 

 

 

 【そして】ならどうするか?

           

  教科書 りんごの花は5月に咲く。 そして、小さな実がたくさんなる。

   〜だ。そして〜  板書しておく。

       日本語は___だ。そして___。

           かんたんだ。そして、・・・・たのしい。  (と、いうようなクラスならいいが、ここで「むずかしい」がでてくるときは

      日本語はむずかしい、そして・・・と、つながらなくなっちゃう。こういうのはだめだねえ。        

       山口百恵は(古いかなあ) 美人だ、そして、うたがうまい。

       ipod は 便利だ。そしてかっこいい。

       ラーメンは 〜。そして〜。

       あのスーパーは 〜、そして〜。

       ぼくの彼女は〜、そして〜。とかわかりやすい例がいいね。

   あるいは、

      〜は やすい。そして〜。

          日本人は〜。そして〜。・・・これも危険かな。このような例文がカギだからよほどしんけんにかんがえておかなければならない。

 さらに、プラス、そしてプラス、マイナスならマイナス、そして、マイナス、だ、ということもおしえておく。

  【〜と 〜が できない】

   〜と 〜ない。板書

 部屋の電気を消す。→ くらいと みえない 

 教師;なにがみえない?  生徒; 字

 再び板書

  くらいと 字が みえない

  うるさいと 勉強が できない。

 

このへんから生徒にいわせて、

  あめだと デートが できない。

  

   デートが できない、なんてのがでてくるようならオッケーだな。

 

 【だから】

  上の、文章につづけて だから、以下をいわせる。

  くらいと 字がみえない。 だから、 はい、どうしますか? でんきをつけます。

  うるさいと勉強ができない。どうしますか?

 【〜そうな】・・・初級でならった。

 【〜だけを残して、他の実はとってしまう】

  〜だけを〜して、〜は〜

  1000円だけを残して、あとはつかってしまう。

  いきなりこれだとむずかしいかな。

 そのときは

   〜だけを 〜した

  この言い方で、どんなのがありますか?

   ピーマンだけを のこした。

   さいふだけを わすれた。

   「トイレどこですか」だけを おぼえた。

   で、「だけを」の言い方をいろいろやって、

   つぎに「て形」にして、

    のこして、全部たべた。

    わすれて、会社にいった。

    て、ほかのことばはしらなかった。

  などとつづけてみたらどうかな。

   あたしの力ではいまいち、適切な例と生徒を巻き込めるだけの例文がつくてていないが、しかし、ようはこういう形で教科書をつかうのだ、というのは目からウロコでござんしたよ。