助けちゃ紅】

3月17日 曜日 天気 { } 

 

 突然の「おばあちゃん」の昇天は、わがやにとっちゃタイタニック号が氷山にぶつかったようなもの。なんせ調理万能、裁縫元プロ、庭仕事は戦時中からの野菜作りで、「友の会」の優秀会員で家政万端の専門家だけにもーここ何十年もおんぶだっこ状態できたのだった。

 いつぞや、アホ息子が仲間10人近い友人、それも世界各国からのをつれて1週間滞在したことがあったが、びくともせずに3食、みなさま満足行くようにつくっちまったのだ。とても、ふつーのかあちゃんにできるこっちゃない。そのたガイジン客滞在も何度もあったが、そのたびに平気でさばいてしまった。

 そのような人が突然いなくなった、というのは、われらは舟の底がメルトダウンした乗客、駱駝使いのいなくなったキャラバンのようなもんで、そのうえ4人中、3人がノロウィルスにとっつかれているわけだから。

 ま、しかし「助けてクレー」というても誰も助けちゃ紅。で、それぞれ手に消毒液を塗りぬ り、ふらふらとうごきだして、なんとかカミさんは今日、ばあちゃんの資料をなんとか探し出して、よくしらない何十人かの知人宛の死亡通 知葉書を出す偉業をなしとげた。一人ノロ負けしない元気娘は、もちまえの決断力と勇気にものいわせた荒技料理で・・・おや、うまい、こりゃなかなかのもんじゃがね。毎晩あさ5時半おきで、夜中まではたらいとるうえ、こんなこともできるのか。一方のせがれは発症してトイレと往復しながら、せっせとその娘の肩こりマッサージをひきうけて、これまた面 目を保つ。こりゃ、「七仙過海」とかいうやつだわ。

 のこるあたしは、といえば昨日の夜中にその葉書の文案をつくってさっさと印刷、一時間でしあげてとりあえず当面 の面目は保ったが、はて、。。。そのあとなにをやったらいいのかさっぱりわからない。しかたないから、朝は庭でぼーっとしながら草むしり。土から芽をだした球根をみるにつけ、庭仕事も大好きだった故人をしのんでまたボー。誰もみてないからいいようなもんだ。

 しかし、かんがえてみたら、おばあちゃん、えらい。これぞPPK、すなわち、巣鴨なんとか神社で一番多いという祈願、「ぴんぴんコロリ」そのままの人生じゃないか。寝たきりだの呆けだのと無縁の生涯、旦那をしっかり介護して見送って、その後始末も全部片づけ、「じゃ、あとはまかせたわよ」といわんばかりに旅だったんだから。

 家は部屋という部屋がきちーん、台所はもうホテルの調理場のようにステンレスがひかりかがやいて、風呂場から玄関、階段、ゴミひとつおちておらない。うーん、あすから、いや、このさき、この光り輝く家がわがやのようになっちまわないようにするにはどうすればいいのか?いや、どだい無理だ、自分の家だけでもゼンゼンあかんのに・・・ おばあちゃん、たすけてー、と還暦男が叫ぶわけにもいかんし・・・。多難前途はまだ初日がおわったところじゃないの。