【散骨

 

5月27日 曜日 天気 { } 

 

相次いで世を去ってしまった義父母の死後のことは遺言で「散骨」が希望だった。昔風にいえば長男で、それも東北の旧家というか、銭には縁がないが武田信玄の家来だったという由緒までたどれるという家の、その長男だから、当然、サクラで有名なその町には菩提寺があって先祖代々の墓がある。

 にもかかわらず、通産省の技術官僚で通した義父は、これまた義母とともにその墓に入ることを望まず散骨を選んだ。これはずっと前から聞いていたので違和感はないのだが、こちらは別 に遺骨を側においておくことも別にかまわないタチだからなにもしなかったら、カミさんが気をもんで、その会に電話をしてどうしたらいいか、問い合わせた。

 散骨、といってもそこらじゅうの野山に勝手にばらまくというわけにはいかない。ちゃんとそのようなことを実行している団体が所有するか、借り受けたかする土地で行う。聞くと「海」と「山」のコースがあるらしい。義母は生前、「海はさむくてイヤだから山がいい」と言っていたそうな。で、その山の地は奥多摩にあるという。

 奥多摩はそう遠くない。では、まずどんなところか見に行ってみよう。場所は五日市から都民の森へぬ ける途中だという。あそこならバイクで何回かいったことがある。

 そんなわけで朝7時15分。カミさんをビグスクに乗せて、渋滞に鳴る前に立川を抜けていければ御の字とばかり出発。うまく立川を8時すぎにはぬ けて、距離からすればはるかに遠い五日市には9時前についた。そのまま山道を走って約2時間ちょいで到着。別 に見るモノもないただの山間の谷間である。

 そのままUターンして、カミさんは五日市でおろして電車で帰らせる。帰りは渋滞とかあるし、まったくおもしろいドライブではない。スクーターだって後部に2時間も乗っていたらツカレルし。

 きけば散骨といってもいやがる地元のしともいるので、その会ではハイキングの格好をしてさりげなくおこなうのだ、という。それなら全国どこでもいけそーなもんだが、やはり合法的に、というのがまあ、普通 の常識有る日本人の願いなのだろうな。

 うーん、自分はどうしてほしいかなあ、とおもったが、やっぱり海だねえ。海でサカナとかナマコとか、プランクトンとかいろいろ珍しいイキモノに取り込まれて、やがて地球をめぐりながらバラバラと分子に還元されるのがいい、とおもうんだが。

 ま、しかし、ここは故人らの意志が優先だから、そのうち吉日を選んで、ハイキングにいくことになるのだろうな。うん。